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葬送

クジラの淀ちゃんが船に乗せられ、沖に連れられていく。


おおがかりな葬送の風景に友人の死を重ねる。


この巨体はこのまま海を進み、しかるべき地点についたら沈められるのだという。

沈めた体が浮かび上がってこないよう、腹に括りつけられた重りは30トンはあるという。


その姿に、知らぬ間に遠くこの世の陸ではないどこかに連れ去られてしまった彼のことを重ねながら、中継の映像をぼんやりと見ていた。

そうしながら、できるだけたくさん彼のことを思い出そうとしてもいた。


やがて舟が止まった。

そろそろお別れ。


巨体をいれた舟に海水が溜まっていく。船底が二つに割れ、中の物を自重によって下におろすような構造のようだ。

あれよという間に浸水が巨体をひたしたかという間に、クジラは静かに海中に落ちていった。




私は心の中で語りかける。

クジラという生き物。この者達がいない世界よりも、いる世界のほうが私は好きです。

あなたはいなくなってしまったけれど、あなたが生きたこの世界を、これからも俺は生きていきます。


イオさん。僕と友達になってくれてありがとうございました。



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