2021年が始まった。
自分の中で使っている言葉に「アタック」というのがあって、これは事前にあまり検討材料がない状態で、機材の電源だけが入った白紙な状態からシーケンスやトラックを組みあげていって、なるべく短時間で、かつ直感的に一曲を完成させるまでのプロセスをやってみて、良い曲がつくれるかどうかという乱取りみたいなワークがある。
この「アタック」、なかなか腰が重くてやりたくない日もあるのだ。
なぜかってやはりいい曲ができなかったらそれなりに落ち込むからで、それに対する恐怖と、そこに取り組むまでの面倒くささが年々大きくなってくると、情熱の渇きみたいなものを否がおうにも突き付けられて、すこしばかり思考停止状態になってしまうのである。
クリエイションに対する挑戦者であれば、だれでもこういった心理状況には縁があるかと思うが、それでもモチベーションを何とかこさえなければならぬというのが、なんともつらいところであって。
いわゆるそれに対するよい対処方法を見つけられるかどうかが非常に大きな勘所であるともいえる。
例にもれず僕もそういった工夫というのはもう無数に試してきたように思うが、成功率はいかほどか、真面目に測定する気もないが、今年の年末から年始にかけての機材環境の見直しは非常に大きな変化をもたらしているといえよう。
一番大きな変更点としては今まではとかくPCオンリーな環境で作業していたものだが(時としてベースを弾いたりすることはあったけど)今ぼくの最も手元に近く配置されているのはAKAIのLIVE2というサンプラーである。
このサンプラーを実はサンプラーとしては使ってなくて、もっぱらシーケンサーとして使っている。
これにアナログシンセやリズムマシンを接続して同期させているというクラシックなスタイルなのだが、いやはやこれかかなり直感環境に対して有効なようなのだ。
やはりシンセやリズムマシンといった機械たちが、PC環境では果たして得られない有機的な呼応をするのがなんとも心地よく。それがポジティブなフィードバックを生んでくれるみたいで、例えるなら流れるようなパスワークを見せるサッカーチームのように、機械から私の脳へクリエイションの連続性がつながっていくようなフローを感じるのである。
とはいえ、複雑な機構を持つ曲を作るときはやはりPC一択である。その理由については説話を省くけれども、僕の考え方として(これはごく最近の気づきなのであるが)、直感的な作曲をすることと直感的な演奏(打ち込み系の音楽に限った話だが)をするというのはまったく別なことなのである。もちろんそれに適した環境も。
なのでこれから、アタックを行うときはPCでもシーケンサーでも行うようにして、バランスよく自分を刺激していきたいと思うのである。
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